成功報酬型の求人(転職)サイトとは

成功報酬型の求人サイトというビジネスモデルは今後も続くのかビジネスモデルとしての可能性を考える前に、このビジネスの仕組みを先に解説します。

成功報酬型の求人サイトとは、従業員を募集している企業が求人広告を無料で掲載することができ、実際に応募者を採用した場合のみ、料金を支払うという仕組みの求人サイトです。
成果報酬型と呼ぶ場合もあります。

求人サイト運営側はまず求職者のアクセスを集めて、その人たちに応募してもらい、採用さればければ一銭も稼ぐことができません。
黒字化するまでにすごくハードルが高そうなビジネスモデルですが、今これが流行しています。

なぜこれが流行るのか? そして、それは今後も続くのか以下に詳しく解説します。

目次

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成功報酬型の求人サイトの料金の一例

ビジネスとして考えるならば、どこで儲けを出すのかが知りたいところです。キャッシュッポイントを分かりやすくするため、とある介護専門の成功報酬型求人サイトの料金形態を紹介します。

成功報酬型求人サイトの料金例の画像

このように、応募者を採用するまで企業はお金を払わなくて済みます。
広告というものはその性質上、費用をかけても効果が出るのか出ないのか分からないものですが、この仕組みなら金銭的なリスクがないので、安心して広告を出すことができます。

求人サイト運営側は求職者のアクセスを集めて、その人たちが採用されるようにしなくてはなりません。

最初にこれを作った人

成功報酬型の求人サイトの第一号は、アルバイト求人サイトである「ジョブセンス」です。
2006年にジョブセンスは誕生しました。今までの求人広告の概念に革命を起こすこの画期的なサービスを始めたのは、この時若干19才の村上太一さんです。

村上太一さんは早稲田大学政経学部1年生の時に株式会社リブセンスを設立しジョブセンスを生み出しました。そして、在学中に年商5億円を超えるサービスに成長させています。早稲田大学卒業後も順調に事業を発展させ、2012年10月には東証一部上場を果たしています。
この時 村上社長は25歳1ヶ月で、今も破られていない最年少記録です。

常識では考えられないぐらいのスピードで成功して大金を稼いでいる村上さんですが、実生活は今でも驚くほど質素だそうです。そもそも、物欲があまりないのだとか・・・
とにかく仕事そのものが楽しいそうです。まさに凄いの一言です。

なぜ成功報酬型の求人サイトばかりが増えるのか

これは求人サイトというビジネスモデルでは、今一番利益が出しやすいためと思われます。一見、従来の求人広告のように最初に掲載費を払ってもらった方が、求人サイトの会社としては売上げが安定するように思えます。

なぜ成功報酬型の求人サイトばかりが増えるのか

しかしこれは強力な営業力があってこそ成り立ちます。求人サイトを運営するためにはまず、求人情報を集めなければなりません。
そして、求人情報を掲載してもらうために、人を募集している企業に営業していかなくてはなりません。
これがとてもたいへんです。まだ世の中に認知されていないサービスを営業していくのは、とてつもない労力と経費を使います。

既に取引のある顧客企業がたくさんあるのならいいのですが、新規サービスの場合そのようなわけもなく、一から顧客を集める必要があります。タウンワークなどはリクルートの営業力があればこそ、求人情報が集まっているのです。

では、一から営業していく場合、次のどちらが営業しやすいかというと・・・
「うちの求人サイトに求人広告を出しませんか? 掲載費用は3万円です。掲載しても応募があるかどうかはわかりません。」

「うちの求人サイトに求人広告を出しませんか? 費用は採用できたら3万円です。採用できなければ一銭もいただきません。」
後者の方が営業しやすいはずです。

成功報酬型の求人サイトばかりが増える理由は、成功報酬型は営業経費を安く押されられるので利益を生みやすい、だから参入しやすいということかもしれません。

お祝い金というシステム

成功報酬型の求人サイトにも一つ大きな問題点がありました。
求人企業にとって採用するまで料金を払わなくてもいいというシステムは素晴らしいのですが、もしその求人企業が採用したのにも関わらず、「いいえ誰も採用していませんよ」と嘘をついてしまえば、求人サイト側は大損してしまいます。実際にこういうことは、かつてよくあったようです。

この問題についても解決策を出したのは、成功報酬型求人サイトの生みの親である株式会社リブセンスです。それが「お祝い金」というシステムです。

求職者は成功報酬型の求人サイトから応募して採用されたら、求人サイト側から”入社お祝い金”をもらえるようにしたのです。お金をもらえるのですから、求職者は採用されたら「採用されました。」とほぼ確実に報告してくれます。
このシステムによって、求人サイト側はどこの企業で何人が採用されたのか格段に把握しやすくなり、成功報酬の代金をきちんと回収できるようになりました。

ちなみにこの”入社お祝い金”の出処、お財布の元々は求人を出している企業です。次のような流れです。

入社祝い金のお金の流れの画像

このような構造のため、求職者は直接 企業に応募するよりも、お祝い金付きの求人サイトを通して応募する方がお得ということになります。

成功報酬型の求人サイトの種類

成功報酬型の求人サイトの種類成功報酬型の求人サイトの中にもまだ種類があるのですが、大別すると2種類に分かれます。
ひとつは「採用課金型」と呼ばれるもので、もうひとつは「応募課金型」です。

採用課金型

採用課金型は、応募者を採用したら課金します、料金をいただきますというシステムです。
またこの中でも種類が分かれていて、採用を決めた段階で課金されるものと、採用した人が初出勤を完了した時点で課金されるものがあります。
これはいざ採用を決めても、初出勤前に辞退する人がいるので、そういったリスクも求人サイト側が請け負う場合は初出勤完了後になるようです。

他には、採用した人が早期退職した場合(1ヶ月以内など)は返金に応じる求人サイトもあります。そういった人を採用した企業側にもある程度責任があるのですが、それも責任をとってくれるとなると企業にとってはありがたい話です。

応募課金型

もうひとつの応募課金型は、求職者からの応募があった時点で課金されるものです。
求人サイト側からすれば、せっかく応募者が現れたのに売上に結びつかないのは勿体無いので、それを取りこぼさないようにするならこの応募課金型にします。

採用課金型に比べて、課金条件は緩くなりますので収入に結びつく入り口は増えますが、企業も応募してきた人を全て採用するわけではありません。当然選考してから採用を決めます。
よって、報酬額は少なく設定しなければ企業側は納得しません。採用課金型が1採用につき何万円なのに対して、応募課金型は何千円といった料金形態が多いようです。

また、応募課金型は特定の業種、例えば介護専門の求人サイトなどに多いようです。

応募課金型には問題もあります。
応募者の中に”サクラ”はいないのかといった点です。応募しただけでお金になるのですから、求人サイト側はサクラを使って応募させれば儲かります。
しかし、現実にはそんなことはないようです。なぜなら、企業側の採用担当者も人を見るプロなので、サクラかそうでないかは見分けがつきます。
もしサクラを使っていることなどが発覚すれば、その情報は瞬く間に広がり、その求人サイトはすぐにやっていけなくなるはずです。世の中甘くはありません。

2010年頃からの求人サイトの「トレンド」と今後は?

2015年現在、世の中には数多くの求人サイトが存在しています。
そして、新しく誕生している求人サイトのほとんどが成功報酬型で、2010年頃から急速に増え続け、今や成功報酬型がトレンドもしくはスタンダードと言っても過言ではありません。今後もしばらくはこのトレンドは続きそうです。
しかし、かつてほどの勢いはなくなってきているように感じます。

理由は、求人サイトが乱立し世の中の求人情報が分散化してしまったことが影響しているようです。その結果、求職者は少しでもいい条件の求人を見つけるために、いくつもの求人サイトを閲覧し探す必要があります。つまり求職者も分散するのです。

求職者の数自体は少子化もあり、そこまで増えていませんが、求人サイトが増えることにより求職者が分散すれば、ひとつの求人サイトの利用者数は減少します。

まとめの求人サイト最近ではその分散してしまった求人情報をもう一度ひとつに集めた ”まとめの求人サイト” が隆盛してきています。いろんな求人サイトの情報を束ねた求人サイトです。
厳密に言うと、求人サイトというより求人専門の検索エンジンと言ったほうがいいかもしれません。Indeed のようなサイトがこれになります。

そもそも求人サイト自体が求人情報をまとめたサイトなのですが、今ではその求人サイトをまとめた「まとめのまとめ求人サイト」にアクセスが集まりつつあります。
求職者は まとめのまとめ求人サイト さえ見ていれば、いろんな求人サイトを見てまわる手間が省けます。
ただ、これも乱立すれば、結局意味がなくなってきます。イタチゴッコですね。

これからの求人サイトのあり方

これからの求人サイトは成功報酬型や、お祝い金といったシステムでアクセスを集めることは難しいと思います。
ビジネスモデルとしてそれだけでは弱く、何か特別な他にはない魅力が必要になってくるでしょう。

10年、20年後にはどのような求人サイトが流行っているか今後も注目し、変化があれば情報発信したいと思います。